平成十年四月五日、御本仏日蓮大聖人の御法魂たる本門戒壇の大御本尊は、ついに誑惑の殿堂・正本堂より、元の奉安殿に還御あそばされた。昭和四十七年にこの正本堂に居えられ奉ってより、実に二十六年ぶりの還御であられた。 そして同時に、戒壇の大御本尊を二十六年にわたり辱め奉った正本堂は、諸天の鉄槌により轟音と共に打ち砕かれ、その醜悪なる姿を永遠に地上より消し去った。 この、凡夫の思議を絶する大現証こそ、まさしく御遺命の破壊を許し給わぬ御本仏の厳たる御裁断でなくて何であろうか。 この大現証を眼前にして、いま改めて、正本堂とはいかなる建物であったのか、そしてまた、いかにして崩壊に至ったのか、その実相をここに明らかにし、以て、大聖人の御聖意を拝し奉らんとするものである。